Affinity DesignerでのEPSとグラデーション

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2月の更新回数1回で3月になってしまった…。以前の記事にコメントを頂いていたのにほったらかしで済みません!

確かにAffinity DesignerのEPS、というよりもEPSの仕様にもグラデーションはあるんですが、現状使用をおすすめできる状態ではないかもしれません。
結論からいうと、一番の互換相手だと思われるIllustratorが、他社製EPSファイルのグラデーションをラスタライズしてしまうからです。

EPSのレベル2と3#

EPSのベースとなっているPostScriptにはレベル2と3があり、レベル3でグラデーションをサポートしています。なのでこれを選択すればグラデーションを書き出せるはずなのですが、私がAffinity Designerでは使えないと思っていたのには理由がありました。

Illustratorで見るとラスタライズされている#

Affinity Designerで、グラデーションを設定した長方形を一つ置いただけのEPSファイルを作り、Illustratorで開くとこうなります。

一見問題ないように見えますが、レイヤーパネルを見るとグループの中にクリッピングマスクがあり、中に「画像」オブジェクトがあるのが見えます。
これを選択すると、ラスターをベクターに変換する「画像トレース」のメニューが現れるので、グラデーションはラスタライズされているようです。

Affinity Designerではレイヤースタイルやオブジェクトのブレンドモードなど、使用すると他のベクター形式へ書き出した時にラスタライズされるものが多くある為、これもAffinity Designerでラスタライズされてしまったもので、グラデーションつきEPSは作れないのだと思い込んでいました。

別のソフトで開くと結果が違っていた#

同じEPSファイルをCorelDrawやInkscapeで開くと、グラデーションが編集可能な状態で保持されているのがわかります。これはどうやらAffinity Designerのせいではないみたい……?

テキストエディタで開いてみる#

EPS形式はスクリプト言語型のデータなので、ラスターデータを埋め込んでいない限りすべてメモ帳などのテキストエディタで読むことができます。
先ほどのEPSファイルを今度はVSCodeで開いてみると、60行ほどの簡素なテキストデータがありました。ラスターデータはありません。

これはつまり、Illustratorがわざわざグラデーションをラスタライズして表示しているということになります。
どんな意図をもってそうしているのかはともかく、これでは互換形式としては使えません。

Illustratorで作ったEPSファイルも読めないのでは?#

これではIllustratorが自分で作ったデータも満足に読めないと思えますが、バージョン9移行のIllustratorで作るEPSファイルには、EPSのコメント部分(HTMLのように、画面に表示されないようにコメントを付けることができます)にIllustratorのネイティブデータが暗号化された状態で埋め込まれています。
Illustratorはそちらのデータを読みこんで編集しているので、そもそも自社製EPSデータは必要としていないのです。

Illustratorにグラデーションを保持したまま渡すには#

Affinity DesignerからIllustratorにグラデーションを使用したデータを渡すには、今のところPDFかSVGファイルが有効です。どちらも現在仕様がオープンで色々なアプリケーションに使われているので、これに対してはあんまり変なことはできないんじゃないでしょうかね……。